(『あんぱん』/(c)NHK)

 

今田美桜さんがヒロインを務める連続テレビ小説『あんぱん』(NHK総合/毎週月曜~土曜8時ほか)。子どもたちの人気者・アンパンマンを生み出したやなせたかしさんと、妻・暢さんの夫婦をモデルとした物語です。<朝田のぶ>を今田さん、<柳井嵩>を北村匠海さんが演じています。戦争中、嵩の戦友として陰ながら支えてくれたのが妻夫木聡さん演じる八木信之介です。戦後・東京の闇市で嵩と再会。のぶと嵩の人生に大きな影響を与えていきます。妻夫木さんにお話をお伺いしました。(取材・文:婦人公論.jp編集部) 

八木は天邪鬼な男 

<戦後の東京で八木と嵩は再会を果たした。八木は、闇酒を売ったお金で戦災孤児に食べ物を与え、本の読み聞かせをしていた。ニヒルな様子は相変わらずだが、子供たちと接したときには、きらめくような笑顔を見せる> 

久々に嵩の姿を見たときは、率直にうれしかったです。台本には「おどろきもせず」と書いてありましたが、八木は天邪鬼な男なので、再会できたうれしさを表現できなかったけれど、嵩の変わらない部分がうれしかったのだと思います。

(『あんぱん』/(c)NHK)

おっちょこちょいなところも含めて嵩は人間味があって、一目でわかるピュアなところもある。嵩のような人間が世の中を明るくしてくれるという期待がありました。

八木はすごく嵩のことを冷静に見つめています。一見厳しくはあるのですが、彼の才能や人間性をしっかりと認めることができるキャラクター。陰で支える八木の姿勢に僕もすごく共感できました。