Z世代の「アプデ願望」
Z世代は「自分をアップデートしなければ」との危機感が、非常に強い世代です。23年、人材紹介関連の企業が、Z世代(20代)に「転職を考える一番の理由」について聞くと、1位は「将来の目指す方向に近づくため」(20.2%)、2位は「スキルが身につかない環境のため」(17.0%)と、いずれも「アプデ(自分アップデート)」ができそうにない環境を理由に挙げており、3位の「年収が低いため」(16.2%)を上回っていました(UZUZ「Z世代の『就職』『リスキング』に関する意識調査」)【図1】。
裏を返せば、Z世代の「アプデ実感」は、職場の満足度にも大いに影響しそうです。
今回弊社が実施した定量調査でも、「現在の仕事(会社)に(とても+概ね)満足している」と答えたZ世代(55.1%)のうち、「自己成長・キャリアアップに満足している」との回答が2割(20.0%)、大卒男性に限れば3割弱(27.9%)にのぼっていました。
24年、『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』(集英社新書/三宅香帆氏・著)がベストセラーになりましたが、この本を支持したZ世代が多かったのも、「本来なら、もっと本を読んで自己研鑽に努めたいのに(時間がない)」というアプデ願望の表れでしょう。
※本稿は、『Z世代の頭の中』(日本経済新聞出版)の一部を再編集したものです。
『Z世代の頭の中』(著:牛窪恵/日本経済新聞出版)
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消費者研究で定評のある世代/トレンド評論家・牛窪恵が、令和の若者1600人以上への大規模調査と55人へのデプス(1対1)インタビューを基に、Z世代のナゾにとことん迫ります!