2 子どものことだけ考える

担任との見えない壁を意識したうえで、学校と話し合いをするときに大切にしてほしいのは、子どもを中心に考えて学校と交渉することです。

これは「学校マジック」とも言える現象ですが、親が学校に足を踏み入れたり、担任の先生と話したりする瞬間に、無意識に「いい親でいなければならない」「よく思われたい」といった気持ちが強くなることがあります。親自身が子ども時代に「まじめな児童・生徒」であることを求められていた経験が、今も心の中に残っているため、その呪縛に気づかず、強いプレッシャーを感じてしまうのです。

『小学生不登校 親子の幸せを守る方法 400人の声から生まれた「親がしなくていいことリスト」』(著:石井しこう/KADOKAWA)

また、不登校の対応で学校ともめることで、子どもが嫌な思いをしたり、不利な立場に置かれたりするのではないかという不安を抱く親も多いでしょう。まるで子どもが「人質」にとられているように感じ、学校に意見を言うことにためらいを覚えるかもしれません。

しかし、常識的な対応をしていれば、よっぽどのことがない限り、学校が親の態度を理由に子どもへの対応を変えることはありません。ここでいう「よっぽどのこと」というのは、親の対応ではなく、先生側に問題がある場合です。

ですから、「先生によく思われたい」とか、「学校と関係を悪くしたくないから、強く言えない」といった思いは、いったん捨てましょう。親にとって何より大切なのは、我が子です。我が子の思いや我が子を守ることです。我が子がどうなったらいいのかを第一に考え、その視点から学校と話し合いを進めることが大切です。