何が起こっているのか分からず…

不登校の始まりはわかりづらいんです。なんとなく具合が悪くて行けない日が増える。体調不良だったら行かせようとしますが、行かせようとすればするほど体調が悪化してしまう。

取材した例では、不登校ではなくてコロナの後遺症だと親が思い込んでいたことがあります。子どものコロナが治った後も体調不良だったので、親はコロナの後遺症だと思っているし、子どもは語りたがらない。学校に行こうとすると体調が悪くなる。何ヵ月か経って、児童精神科に行き、医師から「不登校ですよ」と言われて、コロナ以外に原因があると分かったケースがありました。

親が、子どもが不登校なのかわからず「これは何が起こっているんだろう」と思っているうちに、働き続けるのが難しくなって追い詰められてしまうんです。

フリースクールを展開する「SOZOW」(2024年)が行った調査では、不登校の子どもの保護者の約5人に1人が離職せざるを得なかったことがわかっています。

『小学生不登校 親子の幸せを守る方法』
『小学生不登校 親子の幸せを守る方法』(著:石井しこう/KADOKAWA)

小学校には託児所としての側面もある。でも、どうしても学校に行けない子や学校生活が合わない子はいますから、まずは小中学生でも、学校以外の学びの場を公的に認めたり、ホームエデュケーションをできるようにしたら、環境も整っていくと思います。