経済ジャーナリストの荻原博子さんが、お金に関するお得な情報をわかりやすく解説する新連載「トクする!荻原博子のマネーNEWS」。今回は「覚えておきたいリースバックの罠」です。(イラスト:さかがわ成美 「婦人公論」2025年10月号より掲載)

覚えておきたいリースバックの罠

最近、「リースバック」をめぐるトラブルが急増しています。リースバックとは、自宅を売却したうえで、買い取った会社と賃貸借契約を結び、同じ家に住み続けるという契約。

「自宅を資産活用し、まとまった老後資金が手に入る」と謳っていますが、国民生活センターに寄せられたリースバックに関する相談は、2019年度の24件から、24年度には239件と、わずか5年で約10倍にもなっているのです。

中には、判断能力が低下した高齢者を狙うケースも。すべてが悪意ある営業というわけではありませんが、トラブルが増えている以上、注意が必要です。

広告などを見て興味を示すと、営業マンがやってきて「まとまった老後資金が手に入るだけでなく、売却すれば固定資産税が不要に。住宅ローンもなくなる可能性があるので先々の不安が解消でき、家賃を払えば住み慣れた家に住み続けられる」と、メリットばかりを強調して説明します。

けれどリースバックには、覚えておかなくてはならない3つの重大なデメリットが。