利休七則を仕事やプライベートに活かす

「どうしてこんなに毎日、余裕がないんだろうと思っていたんです」

そうつぶやいたのは、40代の女性の生徒さん。仕事では責任が重くなり、家庭では思春期の娘さんと口論が絶えないとのこと。

(写真はイメージ。写真提供:Photo AC)

「そんなときに、先生が『利休七則は、仕事でも家庭でも心を整える、日々の七つのヒントになりますよ』とお話しくださって、ちょっと実践してみました」と語ってくれました。

はじめは、千利休の時代のことでしょう、と遠い世界のことなのではと感じていましたが、実践してみると、人間関係の本質をついた生き方のヒントになるのではと思ったそうです。

ある日、娘さんが「ただいま」も言わずに、学校から、不機嫌で不貞腐れて帰ってきました。

思わず「その態度はなによ」と怒鳴ってしまいそうになりましたが、ふと利休の言葉を思い出し、「おかえり。疲れた? お茶でもいれようか」と言ったら、それだけで娘さんの表情がふっと緩んで、「もうすぐ部活の大会があるけど、今日は調子が悪くて」と素直に心を打ち明けてくれたそうです。