肌の手入れは行うけれど、爪のケアは後回し、という人は多いのでは? 爪の異常で手足がうまく使えなくなると、生活に支障が出るだけでなく、別のトラブルを引き起こす原因にも。まずは自分の指先を観察することから始めましょう(構成:村瀬素子 イラスト:ネコポンギポンギ)
足爪のトラブルは一種の生活習慣病
全体重を支え、地面から強い反発力を受ける足の爪には、手爪とは比べものにならないほど大きな外力がかかります。そのため手爪よりもトラブルが起こりやすく、その症状も対処法もさまざまです。
シニア世代に多い足爪のトラブルは、爪が内側に巻き込む「巻き爪」や、爪が皮膚に食い込む「陥入爪」、爪の厚みが増す「肥厚爪」、そして、白癬菌に感染して起こる爪の水虫「爪白癬」。これらについては、次項で詳しく解説します。
足の爪や指、皮膚のトラブルは複合的な要因から発生し、互いに関与し合っているといわれます。具体的にいうと大きく分けて三つ。
一つは爪の病変。二つめは骨の変形による病変。代表的なのが、親指の関節が外に飛び出す外反母趾と、小指が内側に曲がる内反小趾です。
そして三つめが、タコ、ウオノメ、水虫など皮膚の病変。例えば、中高年の女性は、長年ヒールの高い靴を履いていた蓄積や、運動不足による筋力の低下などによって外反母趾や内反小趾になりやすい傾向が。こうした骨の変形によって指の爪が押されて、巻き爪や肥厚爪になったり、靴が強く当たるところにタコができたりします。
爪を含めた足のトラブルは、多くの場合、姿勢や歩き方、爪のケア、靴の選び方によって起こる、一種の生活習慣病のようなもの。いくら病院で治療しても、トラブルを引き起こす原因を見直さなければ再発してしまうのです。