男性の嫉妬が世界を動かしてきた?
私はNHKの大河ドラマをよく観ているが、歴史を見ても男性は内に外に下に上にと嫉妬してばかりのように思える。
山内昌之氏の著書『嫉妬の世界史』(新潮新書)は、まさにその視点から世界の歴史を読み解いており、とても面白い。
例えば、日本の歴史において大きな転換点である関ヶ原の合戦は、戦場で命を賭けてきた福島正則や加藤清正といった武将たちが、内政や事務処理能力だけで権勢を振るう石田三成に抱いた嫉妬の感情を徳川家康が巧みに利用したことで、大きく流れが変わったと言われている。
他にも、ヘレニズム文化を築いたアレキサンドロス、三国志の孫権、新撰組の近藤勇など、歴史を動かしてきた偉人たちの嫉妬の様子が多く描かれている。
これらを鑑みると、もはや男性の嫉妬が世界を動かしてきたといっても過言ではないのではないだろうか。
嫉妬が女性のものだなんてとんでもない。今日から「男」偏にしたらどうだろうか?
とはいえ、これまで日本では女性が活躍したくてもできない社会であったことも事実だ。大河ドラマの時代はもちろん、現代においても、フルタイムで働いたり出世争いに加わったりできるほど活躍できる女性はまだ少なく、嫉妬する機会さえ与えられていなかったのかもしれない。
一方、美容業界やCAなど女性ばかりが働いている職場でドロドロした嫉妬の話を聞くことも多いのは、そういうことなんじゃないだろうか。