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noteが主催する「創作大賞2023」で幻冬舎賞を受賞した斉藤ナミさん。SNSを中心にコミカルな文体で人気を集めています。「愛されたい」が私のすべて。自己愛まみれの奮闘記、『褒めてくれてもいいんですよ?』を上梓した斉藤さんによる連載「嫉妬についてのエトセトラ」。第14回は「〈嫉妬〉が女偏なのは納得いかない?いや、むしろ光栄?」です

前回「斉藤ナミ「不倫バッシングは正義?それとも嫉妬?〈他人の不幸は蜜の味〉は、脳の仕組みでもあるという」はこちら

男性だって嫉妬する

嫉妬という文字は「女」偏でできている。

「妬み」は他者が持っている愛情、才能、成功、財産などへの羨望をさし、「嫉み」は、他者が持っているものへの「本当は自分が持つべき」という羨望や独占欲、また自分が持っているものを他者に奪われることへの恐れをさす。(諸説あり)

なんでどっちも女偏なんだ。嫉妬するのは女性だけだとでもいうのだろうか? そんなはずはない。確かに嫉妬というと『源氏物語』の六条御息所のように、嫉妬するあまり生き霊となって恋敵を呪い殺す……みたいな女性像が頭に浮かぶかもしれない。

だが、男性にだって嫉妬する人はたくさんいる。

かつて私には「いつどこで誰と何してるか全部教えて。やましくないなら10分に1回はメールして」と要求してくるヤバい恋人がいた。渋々やってみたけれど、10分に1回なんてかなりハイペースで、すぐに送る内容も尽きてしまい「ねむい」の連続になった。あれはなかなかの煩わしさだった。