伊右衛門の母や仲間を殺しつくしたお岩

一方、祝言の盃をかわした伊右衛門とお梅だが、そこでお梅の顔がお岩へ、喜兵衛の顔が小仏小平へと変貌。狂乱した伊右衛門が二人を斬り殺すと、転がった生首はもとのお梅、喜兵衛に戻っていた。

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その後、濠にいた伊右衛門のもとへ、お岩と小仏小平を縛り付けた戸板が流れ着く。

裏へ表へ戸板が返り、お岩と小仏小平の死骸が、それぞれ伊右衛門に恨み言を言いつのる。お岩の怨霊に追い詰められた伊右衛門は、僧侶の庵室にかくまわれる。

だが祈禱のかいなく、お岩は赤子を伴って伊右衛門の前に立ちはだかる。

伊右衛門の母や仲間を殺しつくしたお岩は、最後は鼠となって、逃げる伊右衛門にまとわりついた。そして追ってきた敵討ちの手により、伊右衛門は斬り殺されてしまうのだった。