トンネルを抜けた先で
仕方なく線路の上を歩いていると、遠くで祭囃子(まつりばやし)のような太鼓と鈴の音が響き、片足の老人がこちらに向かって「おーい」と叫び声をあげてきた。恐怖にかられたはすみは振り返ることもできず先へ先へと進んでいく。
そうこうするうち「伊佐貫」と書かれたトンネルにたどり着く。
意を決して中を通り抜けていくと、向こう側には見知らぬ中年が乗る乗用車が停まっていた。ようやく普通の人に会えた喜びから、その車に乗せてもらう。
しかし運転手の様子は次第におかしくなり、なぜか車は山へと向かっていく。スレッドの住民たちは早く降りろと忠告するのだが。
――そこで、はすみの投稿はプッツリと途切れてしまう。
はすみを心配する声もありつつ、そのスレッドは終了。以後もこの体験談について大きく話題になることはなく、次第に皆の記憶から忘れ去られていった。