八雲とセツの関係は「素敵」
トキのモデルの小泉セツさんは、八雲さんに比べると残された資料がとても少ない。どこでどう生まれ育ったかという「歴史」ではなく、どうやってセツさんの人柄を知ろうかと考え、手がかりにしたのがセツさんのエッセイ『思い出の記』です。
セツさんから見た八雲さんがたくさん描かれているので、「セツさんは八雲さんをどう思っていたのか?」という視点から、セツさんを理解してきました。
たとえば、セツさんは八雲さんが亡くなったときに「あっけない」と表現しています。書き方はあっさりしているけれど、八雲さんへの強い感情が伝わってきました。セツさんと八雲さんの2人にしかわからない「ヘルン言葉」で会話していますし、すごく可愛い夫婦。八雲さんはセツさんを「世界一のママさん」と素直に気持ちを伝えていて、セツさんんはそんな八雲さんを受け止めます。2人の関係がすごく好きです。
八雲さんはすごく自由で、自分なりの正義感があるからこそ好きなものと嫌いなものをしっかり分けている。だから、みんなに愛される一面もあればセツさんが守ってあげた部分もあったのだろうと感じています。
そこにセツさんの八雲さんへの愛情の深さと強さを感じました。 セツさんのかっこよさや愛の深さをエッセンスとしてトキにも取り入れていきたいと思っています。