一時は東大合格者数が低迷するも……
だが、昭和43年(1968)、灘高校に東京大学合格者トップの座も奪われ、昭和42年(1967)に学校群制度(2~3校が一つの群となり、群ごとに合格者が選抜される制度)が採用されて東京を代表する高校としての地位は失われた。昭和50年(1975)には東大合格者数は20名を切り、低迷期は平成18年(2006)まで続いた。最低は平成5年(1993)の1名である。
しかし、平成13年(2001)に東京都から進学指導重点校の指定を受けたことや、平成15年(2003)の都立高校の学区制撤廃によって、全都から生徒を集められるようになり、平成26年(2014)には東大合格者数で46年ぶりに全国の公立高等学校で首位にカムバックした。以降は年平均50名程度の合格者を出していたが、2025年度入試では81名と躍進した。
10年ごとの東京大学合格者を1950年から2020年まで並べると、84・141・99・10・ 8・6・37・40人である。
阿部信行(首相、陸軍大将)、加藤紘一(自民党元官房長官)、石坂泰三(経団連会長)、植村甲午郎(同上)、豊田章一郎(トヨタ自動車名誉会長)、谷崎潤一郎(小説家)、利根川進(ノーベル生理学・医学賞受賞者)、榊原英資(元大蔵省財務官)、松浦晃一郎(ユネスコ事務局長)、坂本春生(通産省初の女性事務官)、塩野七生(作家)、内田樹(哲学者)、安藤優子(ジャーナリスト)などが卒業生。
※本稿は、『日本の名門高校 - あの伝統校から注目の新勢力まで』(ワニブックス)の一部を再編集したものです。
『日本の名門高校 - あの伝統校から注目の新勢力まで』(著:八幡和郎/ワニブックス)
開成、灘だけじゃない!
地方の隠れた伝統校から躍進する首都圏進学校まで、難関大学へ圧倒的な合格者数を誇る高校の真の実力がこの1冊に。