今回の腰痛、原因は椅子だ。

東京では、枝元のいない枝元の家に泊まっていた。枝元んちの椅子はアンティークの教会椅子で、かっこいいんだけど、すわりにくくてたまらない。以前からすわりにくくはあったのだ。でもこんなに辛かったのは初めてだ。原因は、老いとか、だれもいないこととか、やっぱり老いとか。

椅子問題は根深い。

あたしんちの仕事椅子としては、最初は向きや高さを調節できる回転オフィスチェアを使っていたが、今は猫専用になっている。

スツールみたいな、ゆらゆら動く腰痛対策椅子もいっとき使ったが、今は部屋の隅でゆらゆらしている。人間工学のなんとかのひざまずく椅子も使ったが、服掛けになり、今は行方不明だ。バランスボールはそのへんに転がしておいたら、チトーにやられた。

どれも、使い始めてしばらくすると使わなくなった。なんかしっくりこなかった。

それでいつ頃からかダイニング用の椅子を使い始めた。この家ができたとき、どこかで衝動買いした一脚で、家族が暮らして、やがて壊れて、誰もいなくなって、戻ってきてという、家の歴史を見てきた椅子だ。

木の枠で、背もたれと肘かけがある。座面はくすんだ緑色。数年前に座面が破れて修理に出した。緑が前より濃くなって違和感があったけど、もう慣れた。そこに座布団を三枚置いて、すわり心地を調整する。座布団にも緑色のモンステラ柄のカバーをかけてある。足元には低い丸椅子。足を載せたりころがしたりしながら仕事している。