何の悶えもないときが一番幸福
主人公たるには心が積極的でなければいけない。そうなり得ると、運命や境遇以上の力が出てくるのです。天風先生は説いています。
「本当の人生の幸福というのは、簡単なんですよ、何の悶えもないときだ。本当の人生の幸福とはどういう幸福だと言うとね、もう簡単なんですよ。人生に何の悶えもないときが一番幸福だ。
いいかい? 何の悶えもないときが一番幸福なんだよ。ああ、あれが欲しい、これがこうなりたいというときは、もう幸福じゃあないんだよ、それは。一つの願望が出てくると、それが満たされるまでは少しも幸福を感じやしない」
「本当の幸せになろうには、ただ、現在与えられたものをもって満足するという、いわゆる「分に安んずる」習慣をつけなさい。一般の方々は、それが難しいように考えているが、実は易しいのだ。易しいことを、難しいように考えているようです」
「ありのままに、我ある世とし生き行かば、悔いもおそれもなにもなし。ただいま現在、与えられたところのものを感謝に振り替えてごらん。そうするともう人生に悶えというものはそう湧いてこない。現在与えられたものを、それで満足しないから、すぐ煩悶(はんもん)が出てくるのだ」