進行を食い止めるためには、認知症グレーゾーンに差しかかったサインを見逃さないことが重要です。では、具体的にどんな変化が起きるのか。多くの人は「記憶力の低下」を思い浮かべるかもしれませんが、実はそうではありません。
最初に表れるサインは、「意欲の低下」です。「面倒くさい」「まぁいいか」「やめておこう」という言葉が増えたら黄色信号。長年続けてきた趣味が急に面倒になった、人前に出るのに身だしなみに気を配らなくなったという人も要注意です。
この状態を放置すると、家族や親しい人の名前を間違えたり思い出せなくなったりする、イライラして怒りをコントロールできなくなる、ささいなことでパニックに陥る、といった記憶力の低下や感情面のトラブルが目立つようになっていきます。
家事を例に挙げると、洗濯や掃除よりも先に、料理が苦手になるという傾向が。しかし、調理の仕方を忘れてしまうわけではなく、最初はメニューが思い浮かばなくなります。月曜日は焼き魚、火曜日はカレーなどと献立が決まっていれば手際よく調理できますが、自分でメニューを考えることが難しくなってしまうのです。
ほかにも、サインはさまざまなかたちで表れます。次のページのチェックリストで、思い当たるふしがないかを確認してみましょう。