合皮は自由度が高い
合皮にはデザインや用途によりさまざまな変化に対応する力があります。フォーマルやカジュアル、アウトドアなど、それぞれの分野で技術が進化しています。
コートやジャケットなどに使われる衣類向けの合皮は、コットンやポリエステルなどの布地でできています。その表面に樹脂をコーティングしてつくられるものが、ほとんどだと思います。色や厚みが均一で、製品のばらつきが少ないのがメリットです。仕事で革を見慣れている私から見ても、クオリティの高い合皮が増えていると感じます。牛革や羊革といった本革の細かな要素も再現できるようになっています。
本革の表面をよく見ると、ポツポツと小さい穴が無数にあります。これは「シボ感」と呼ばれる、自然な凹凸や模様やシワ感です。このシボ感を、近年の合皮は本革と見分けがつかないくらいのレベルでつくったりしています。
また合皮は、本革ではできないレベルで染色・プリント加工ができます。多彩な染色が可能で、繊細なプリントにも耐え得る。本革よりもデザインのバリエーションを広げやすいので、ファッション性が高いと言えます。
