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「家」を重視する血縁主義から「個」の時代に変化しつつある現代では、弔いの「正解」を教えてくれる人が身近にいないために、葬式やお墓の問題に悩まされる人も多くなってきています。そこで今回は、浄土宗僧侶・鵜飼秀徳さんと日本経済新聞記者・大久保潤さんによる共著『弔いの値段 葬式、墓、法事……いくら払うのが正解か?』から抜粋し、弔いにまつわる「聞きたくても聞けなかった実情」をご紹介します。鵜飼さんによると、「近年、『永代供養』を巡ってトラブルが報告されている」そうで――。

永代供養か永久供養か――トラブル多発。取り返しのつかない事態も

近年、「永代供養」を巡ってトラブルが報告されています。

「永代」「合祀」「合葬」などという専門用語がわかりにくい上、内容をよく理解せずに契約した結果、取り返しのつかない事態を招くこともあります。

昨今では「永代供養」が墓の主流になりつつありますが、永代供養とは何か、と説明を求められれば、明快に答えるのはなかなか難しいものです。

長年、墓の調査・研究を続けている者ですら説明に窮するのですから、多くの消費者はよく分からないまま、永代供養墓を買い求めているかもしれません。