「現代の永代供養」の種類は多種多様

「現代の永代供養」の種類は多種多様です。室内納骨堂(ロッカー式、自動搬送式)、屋外納骨堂、樹木葬(個別納骨型、合祀型)、石塔・石仏(個別納骨型、合祀型)、古墳型(個別納骨型、合祀型)、夫婦墓、個人墓などがあります。

なお、「樹木葬」という名称は、葬儀の形態を連想させるが、あくまでも「墓」の一種です。本来は「樹木墓」と呼ぶべきでしょう。

これだけでもややこしいのに、それぞれに納骨期限が設定されているプランと、設定されていないプランがある。「永代供養」をうたっているのに、「期限付き」という矛盾が、消費者を混乱させています。歴史的な永代祠堂の用語を、現代の墓に転用しているのが誤解を生んでいる元凶です。

「永代供養」という言葉はトラブルを生じさせる原因なので、やめたほうがよいと思っています。

※本稿は、『弔いの値段 葬式、墓、法事……いくら払うのが正解か?』(講談社)の一部を再編集したものです。

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