筑波大学附属駒場高校 国立/男子校/中高一貫/東京都世田谷区池尻
開成や麻布に合格しても、国立の「筑駒」を選ぶ理由とは?
京王電鉄井の頭線の駒場東大前駅から南西に1キロ足らず、東急電鉄田園都市線池尻大橋駅から北東に1キロあまりに位置する男子校である。
設立の母体だった東京農業教育専門学校は、帝国大学農科大学附属の農業教員養成所(筑波大学生物資源学類の前身)をルーツとして昭和12年(1937)に開校した。
昭和22年(1947)にその附属中学校が開校。5年後に東京教育大学附属駒場中学校・高等学校、昭和53年(1978)に筑波大学附属駒場中学校・高等学校と改称した。
こうした歴史から、現在も水田における稲作実習がある。歴代校長は、みな農学系の研究者である。略称は「筑駒」。
「自由・闊達の校風のもと、挑戦し、創造し、貢献する生き方をめざす」ことを理念とし、制服はなく、Tシャツと短パンでもいい。携帯電話やパソコンの持ち込みも自由。
生徒数は中学120名、高校160名。附属の小学校はない。筑波大学への内部進学枠はない。全国高等学校クイズ選手権の優勝経験あり。数学五輪、物理五輪への参加者も多い。
東京大学合格者の推移を筑波大学附属高校(略称=筑附)と比べると、昭和35年(1960)には、筑附が56名に対して駒場が22名。昭和41年(1966)に、71名の筑附に対して駒場83名で初めて優位に立った。毎年、受験生のほぼ4割が現役で東京大学に入る。これで授業料は公立並みだから、開成や麻布に合格しても筑駒を選ぶ生徒も多い。2025年度入試では東京大学に117名の合格者を出している。
卒業生に、齋藤健(元農相)、赤沢亮正( 経済産業相)、堀紘一(ドリームインキュベータ会長)、井川意高(元大王製紙会長)、野田秀樹(演出家)、松平定知(元NHKアナウンサー)、鎌田薫(元早稲田大学総長)、東浩紀(作家・評論家)。細田博之(元官房長官)と黒田東彦(元日銀総裁)は同級生。
