コミュニケーションの重要な手段だった
作家の丸谷才一は、「日本文化の中心には和歌があり、その和歌の中心にあるのは恋である」と指摘しました。
日本最古の歌集『万葉集』では、約4500首のうち半数以上が恋の歌。平安時代の『古今和歌集』でも、全20巻のうち5巻を恋歌に充てています。ちなみに離別歌は1巻のみです。
その理由として、当時の人々にとって和歌が大切なコミュニケーションツールだったことが挙げられます。『源氏物語』には当時17、18歳だった光源氏と恋仲になる、と源典侍(げんのないしのすけ)いう女性が登場します。
彼女の年齢はなんと57、58歳! かなり年上で色好みと評判の人ながら、教養があり歌もうまかったことが作品からも伝わります。和歌というツールを介せば、50代後半になっても光り輝く貴公子と恋愛ができるとは夢のある話だと思いませんか?
【答え=B】