お口巾着で!
さらにていは「ともかく!お口巾着で!」と、自らの妊娠について言い広めないように蔦重へ促します。
「そのうちばれないか」と聞かれると、手を差し出し、蔦重の口を巾着のごとく締める動作をしたてい。すると二人は申し合わせたかのように、口を膨らませます。
それから「あのよ…やっぱいいや」と蔦重が言いかけると、その思いを汲みとって「私も…この子は義母上様の生まれ変わりと信じております」と話したてい。
頭痛がその知らせであって「義母上のように人懐っこくて賢い子になるのでは」とていが伝えると、蔦重はていのお腹へぐいっと顔を寄せます。
蔦重が「おーい、ババア子。この世にゃ、山ほど楽しいことあっから、元気に出て来いよ」とお腹の子へ呼びかけると、二人は微笑みあうのでした。