独特の存在感と高い演技力で作品ごとに違った顔を見せる俳優の岡山天音さん。放送中の大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』では生真面目で面倒くさいけれど情熱的な戯作者・恋川春町役が話題になった。11月3日からは、岡山さん主演のNHK夜ドラ『ひらやすみ』(総合月~木、午後10時45分~)がスタートする。原作は真造圭伍さんによる同名人気漫画。岡山さん演じるヒロトは29歳の元俳優。春町役から一変して、マイペースでのんびりとした空気を醸し出す自由人の役だ。岡山さんに作品への思いや俳優生活について聞いた。(取材・文:婦人公論.jp編集部 油原聡子、撮影:本社・武田裕介)
感情を成仏させられる
<2009年、ドラマ『中学生日記』に出演し15歳でデビュー。話題作への出演を重ね、2017年に朝ドラ『ひよっこ』で演じた漫画家の卵役が注目を集めた。出演した作品では唯一無二の個性を発揮する俳優だ>
俳優の仕事の楽しさはいろいろな人と出会うこと。俳優はおもしろい人が多いんですよ。毎日違うことをしているし、場所も違えば出会う人も違う。仕事もお芝居だけではなくて番組宣伝や舞台挨拶、取材を受ける機会もあります。
お芝居は、自分の中の感情を成仏させられると感じる時があるんです。ポジティブな経験でもネガティブな経験でも演じている役柄と接続する瞬間があって。人生では嬉しいことも悲しいことも起こるし、いろんな思いに苛まれるけれど、自分が経験した感情をアウトプットできる場所があることはすごくいいことだと思っています。
 
岡山天音さん
ただ、俳優の仕事を続けてこられたのは、ほかにできることがなかったから。子どものころはやめたかったけれど、ほかに行く場所もない。でも、僕は普通の仕事は向いていないだろうと自分でも思っていたし、できる仕事は限られているタイプだというのは母親も感じていたと思います。
何かこれが「転機になった!」というのはなくて、お芝居のワークショップとか、人との出会いを積み重ねて、徐々に「俳優の仕事も向いているのかな」と思えるようになりました。






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