ヒロトはいそうでいない
ただ、漫画ごとにリアリティラインは違う。漫画原作の映画『キングダム』のシリーズに出演しましたが、キングダムはひらやすみよりももう少し漫画っぽさがあってもよい作品でした。
『ひらやすみ』のヒロトは俳優の仕事をあきらめて、毎日をのんびり過ごしています。恋人もいないし、定職もない。それでも不安に思わず、楽しく生きています。ヒロトは「いそうでいない」絶妙なラインの人物。『ひらやすみ』という作品全体が現実とファンタジーをハイブリッドしたような雰囲気もあります。
キャラクターはリアルですが、「平屋をおばあちゃんから譲ってもらって、親戚の女の子と一緒に住む」という設定はありそうでなさそう。だからこそ、生身の人間がヒロトを演じることで、確かに呼吸をして生きている人として画面に映るので、より作品を身近に感じてもらえると思っています。