天気の話でいい

コンプライアンスは、後輩芸人の劇団ひとりにも聞きます。彼は演者であり、監督もやっているので制作側でもある。ネットフリックスで映画を撮影した時に、クランクイン前にコンプライアンス研修を受けたそうです。だから詳しい。

劇団ひとりと話をしていると「本当にそうなの?ええ?」とか思うこともありますよ。たとえば、現場では怒鳴るのはもちろんダメだし、スタッフの服装に触れるのもNG。そうなると「天気の話しかできないじゃないか」と言ったら、「それでいい」と。でも実際に現場で劇団ひとりの言ったことを実践したら「正解だな」と思いましたね。

ダチョウ倶楽部の肥後克広さん
ダチョウ倶楽部の肥後克広さん

一期一会というわけでもないけれど、ドラマだったらワンクールで終わる。付き合いの期間を考えると、「今日は暑いよね」とか「朝早いね」とかで十分ですし実際に、それでコミュニケーションがうまく回りました。

後輩が僕に対していろいろ言ってくれるのは、本をただせば「ダチョウ倶楽部」というお笑いグループのキャラクターが「言ってもいい」「この人たちなら勝てる」「怖い人じゃない」というものだからかもしれません。こっちから相談しているとか、頼ろうと意識しているというより自然な流れでいろいろ教えてもらうことが多いです。

自分の性格も素直っていえば素直だし、何も考えずに動いているところもあるから、人の話を聞いたり、頼ったりできるのかもしれません。僕も還暦を過ぎました。年下の子とつきあうコツですか?先輩後輩とか意識しないし、年下とも思わない。同級生や同僚のように対等に思うようにしています。

インタビュー2回目はこちら

【関連記事】
田村淳「〈延命治療はせん〉と言い続けた母ちゃん。パンツ1枚残さず、告別式の弁当まで手配して旅立った」
〈独占告白〉ロンブー・田村亮「謹慎中の苦しさを忘れない。支えてくれたのは仲間と淳、そして…」
「竜ちゃんが世間から忘れられないように」ダチョウ倶楽部・上島竜兵の妻が語る波乱に満ちた夫婦生活。遺されたラブレター『金スマ』