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何歳からでも健康長寿は目指せる

そこで私たちのセンターでは、「1日1回は外出して歩く」「他者と積極的に関わる」「規則正しい食生活や睡眠」を意識して、毎日を過ごしていただくよう指導してきました。

これらは、脚力の強化と脳の活性化を目的としています。なぜ「毎日」かというと、20代の頃に比べて、60代、70代以降は細胞が衰えるスピードが速いためです。

たとえば、若い人は1日ベッドで寝たきりで過ごしてもさほど筋肉量は減少せず、そのうえ、体を動かせばすぐに回復させることも可能。対して高齢者は、1日寝たきりでいると筋肉が一気に衰えてしまううえに、失われた筋肉を取り戻すためには1週間のリハビリが必要だと言われています。

このように、年を重ねるほどに回復スピードも低下してしまうため、少しでも早くケアに取り組むことが必要です。

まず、自分の血管や骨、筋肉がどのような状況なのかを把握するところから始めましょう。その1つの方法に、「開眼片足立ちテスト」というものがあります。

このテストは文部科学省の新体力テストとしても採用されており、片足で何秒立てるかで、「体性感覚(バランス力)」「神経系(脳やせき髄からの神経伝達力)」「筋骨格系(骨・関節・腱・筋肉などの体を支え、動かす力)」の低下具合をみる指標です。

年齢によって合格ラインが異なりますので、参考にしてみてください。ただ、思うような結果が出なくても心配はいりません。適切な運動や生活習慣を心がければ、何歳からでも血管、骨、筋肉を若返らせることはできるからです。

毎日少しずつ努力を積み重ねて、健康長寿を目指しましょう。