頑丈すぎるバウンダリーが引き起こす「孤独」「孤立」

一方、人や社会からの影響を受けまいと頑丈すぎる境界線を引くことも不健全と言えます。他者や世界は、信念や価値観を押し付けてくる、自分に侵襲してくる敵のような存在とみなし、高い壁を作り、人と関わるのを避けます。
人づきあいが希薄になり、他者と物事や時間を共有することが難しくなります。

状況によって臨機応変に強弱を変化させずに、常に堅固すぎるバウンダリーを引いてしまうと、結果的に「孤独」を感じるようになったり、「孤立」してしまったりするかもしれません。

脆弱なバウンダリーと堅固なバウンダリーは一見すると反対のようです。環境からの影響を過剰に受け入れようとするのが脆弱なバウンダリーです。環境からの影響を過剰に排除しようとするのが堅固なバウンダリーです。

しなやかで可変性のあるバウンダリーが引けていないと、両者はコインの裏表のように、脆弱になりすぎる時があるかと思えば、時には堅固になりすぎる時もあるというように、極端に行ったり来たりします。