自信が持てないのはどうしてなのか
子どもが泣くと、「泣いちゃダメ」「こんなことでなんで泣くの?」と子どもの泣きたい気持ちを否定したり、「これくらい痛くないよね? ガマンしなさい」と子どもが痛いと感じる感覚まで否定したりする親がいます。
親としては、多少のことでは音を上げない強い子に育ってほしいと考えてのことでしょうが、子どもの感情や感覚を否定してばかりいると、子どもは自信の持てない人間に育ち、生きづらさを抱えて生きることになるかもしれません。
ところで皆さんは、「自信」とは何だと思いますか?
成功すれば自信がつく、実績や評価が自信につながる……など、成功体験や実績、評価などの外部要因が自信を形づくると一般的には考えられています。
確かにそうした側面もあるでしょう。ただし、この場合、「何かができた」「何かに成功した」という経験がない限り、自信はつきません。
自信とは、成功体験や実績、評価にかかわりなく、誰にでも持てるものです。
自信とは、文字どおり「自分を信じること」です。
そして、自分の何を信じるかといえば、自分の快・不快の感覚、感情、欲求、本音などです。それらに気づいて、「これは他でもない自分が感じていることなのだ」と信じられれば、自分にとっての判断基準が明確になり、自分の望む選択ができます。
これが「自分を信じる」ということなのです。
話を戻すと、「これくらい痛くないよね? ガマンしなさい」と親から言われて育った子どもは「痛いと感じることはダメなんだ」と理解して、痛いと感じていい場面でも痛さをガマンします。そのうち、痛いのか痛くないのか、自分の感覚がわからなくなっていきます。
これが自信のなさにつながっていくのです。
大人でも、トイレに行くのをガマンしているうちに、トイレに行きたいかどうかがわからなくなっている人が結構います。
頭で考えすぎる人ほど、自信が持てないのかもしれません。うのみにした価値観や、役割や立場で考えた「こうすべき」でばかり判断していると、本当は自分が何を感じているのか、何を欲しているのかわからなくなり、自分の感情や感覚がわからなくなります。
「ありのままの自分」とは身体で感じる感情や感覚のことです。「これが自分だ」という確信が持てないのが「自信がない」という状態です。