キッチンは、水平面にやかんだけ
もしメンテナンスがむずかしいなら、道具の数を減らしていくしかありません。
「使っていないモノは捨てよう!」
じつは私は「断捨離」を提唱して以来、その一言を叫び続けているのです。
さて、イギリスのキッチンについて、こんな表現を目にしたことがあります。「水平面にやかんが1つだけ」。これぞ私の求めていたキッチンの姿と思いました。やかん以外の道具はすべてキレイにしまわれ、置かれているとしても厳選された美しいモノが数点のみ。こんなキッチンなら動くことが愉しくなります。
キッチン設計となると、「動線」を真っ先に持ちだすことが少なくありません。この動線がじつは曲者。動線を短くするために、動かずに済む空間づくりを目指したあげく、手の届くところにモノが溢れかえります。
ですから私は、動線をまったく意に介しません。食器棚が少しくらい遠くてもOK。その代わり、モノをとり出す時のアクションカウントを考えます。アクションとは手間のこと。「とり出す手間、しまう手間」のアクションを1つでも少なくするシステムづくりに情熱を燃やしています。具体的な方法はこれからご紹介しましょう。

