運動強度はラジオ体操と同程度
シニア向けのダンスを考えるに際して、循環器の専門医や理学療法士、患者さんたちに協力してもらいました。そうして誕生したのが、誰でも安全に踊ることができて、身体の健康維持につながる「ダレデモダンス」です。
運動強度を示す「メッツ」という単位で説明すると、ゆっくりと平坦な道を散歩する程度で2メッツ、屋内掃除で3メッツ、ラジオ体操が4メッツとなります。
このダンスはラジオ体操と同等の4メッツ。ワークショップに来ていただいた最高齢の生徒さんは94歳ですが、楽しそうに身体を動かしてくださっていますよ。
振り付けの特徴は、それぞれの動きに意味があること。たとえば足腰の筋力アップ、股関節の可動域を広げる、体幹を鍛えるといった、シニア世代に必要なエクササイズ要素を盛り込みました。
今回『婦人公論』で紹介するのは、TRFの楽曲「survival dAnce」に合わせて考えた振り付けです。原曲はややテンポが速いので、たとえばユーチューブで流す場合は再生速度を0.9に設定するなど、自分に適した速度で踊ってみてください。もしくは、お好きなスローな曲に合わせるのもいいですよ。
ダンスは有酸素運動なので、速度を落としてもエクササイズ効果が変わらない点も魅力です。踊っている間は、しっかりと呼吸をすることを忘れずに。
立った状態で踊るのが難しい場合は、座位での振り付けも紹介していますので、参考にしてください。ただし、筋肉は動かすことでほぐれていくので、体調に問題がない方はできれば立って踊ってみましょう。
「このダンスを週に何回踊ればいいの?」と思われたかもしれません。長続きのコツは、ノルマはできるだけ低く、目標は軽めに設定すること。今回紹介する8つのダンスのうち、まずは好きな振り付けを1日に1回踊ってみませんか?
リラックスした状態で、リズムに乗ることから始めてみてください。いずれパート1から8まで通しで踊ることを最終目標にする。そして、通しの踊りを月に1回。慣れてきたら週1回行えると理想的だと思います。ダンスで楽しく、元気な身体を作りましょう。