宝くじで1億円を当てても1年で慣れる
これは心理学で「快楽のウォーキングマシン」と呼ばれる現象で、人間はどのような変化にもすぐに慣れてしまう性質があるため、たとえば宝くじで1億円を当てようが、夢に見たポジションに昇進しようが、長くても1年ほどで幸福度は過去と同じレベルにもどってしまいます。[1]「1億円がある」という現実が新たな幸せの基準になり、すぐにその上の状態を求め始めるからです。
なかなか難しい問題ですが、「快楽のウォーキングマシン」に立ち向かう唯一の方法として知られるのが「多様」の考え方です。その名のとおり「日常の仕事でどれぐらいの変化を感じられるか?」を示す言葉で、
*自分が持ついろんなスキルや能力を幅広く活かすことができる
*業務の内容がバラエティに富んでいる
という2つの条件を満たす職場ほど、あなたの幸福度は高くなります。
テキサス工科大学が約200件の先行研究をまとめたメタ分析によれば、さまざまなスキルや能力を活かせる職場で働いた場合、仕事の満足度との相関係数は0.45で[2]、適職探しには欠かせないチェックポイントのひとつです。
1. Brickman, Philip, Dan Coates, and Ronnie Janoff-Bulman.(1978)Lottery winners and accident victims: Is happiness relative?
2. Fried, Yitzhak Ferris, Gerald R.(1987)The validity of the Job Characteristics Model: A review and meta-analysis.
