撮影:白石和弘
今は、自粛で家族以外の人にはなかなか会えない日が続いています。ですが、状況が好転すれば、友人・知人を招いて、料理と会話を楽しみたいもの。現在発売中の『婦人公論』5月12日号では、器集めが大好きで料理上手としても知られるメディアプロデューサーの渡邊みつこさんに、気軽にトライできる初夏のおもてなしメニューを教えてもらいました。その中から、日々の献立にも取り入れやすい「塩豚とあさりのスープ煮」の作り方を紹介します。(料理=渡邊みつこ 撮影=白石和弘 構成=野澤幸代)

器と料理の組み合わせは、人と人との出会いにも似て

「私の生家はとにかくお客さまの多い家でした」と笑う渡邊みつこさんは、昭和の名相、大平正芳氏のお孫さん。子どもの頃から新聞記者にお茶を出したり、常に多くの人に囲まれて育ったそうです。

「だから、かしら。おもてなしが大好き。人も料理も好きですし、とりわけ器に心惹かれます」。渡邊さんの器選びはユニークです。現代作家の作品、アンティーク、古道具屋さんで見つけたお気に入りなど、すべて一点もの。取り皿も一人ずつ違います。

「あの方に似合う器、この料理が映える器と考えるように、人と人を引き合わせるのも楽しくて」。親しい方たちの集まりでも初対面の方を加えると話題が広がり、ぐっと活気づくのだとか。議論をしたいときはフィンガーフードにしたり、料理のレパートリーは多彩です。

「手料理を召し上がっていただき、時間を共有できるのは幸せなこと。人と料理と器を愛することは、人生をとても豊かにしてくれます」

「あの方に似合う器、この料理が映える器と考えるように、人と人を引き合わせるのも楽しくて」(渡邊みつこさん)