……あの小娘、絶対に許さない!

「わかりました。私が毎日ゲーゲー吐きながら一人で長男を育ててる間、あなたは若い女と楽しく浮気してたんですね……了解です」

「違うんだよ! 彼女本当にやばくて、もう辞めるって言い出してて、俺が話聞いてあげないと。昼間は現場でまともに聞いてあげられないから。名前を言わなかったのは余計な誤解や心配をさせたくなかったからで……」

「へえ。あなたにとってはそいつのメンタルを救う方が妊娠中の妻より大事なんですね。どうぞ楽しんでください。さようなら」

そう言って外へ飛び出した。

許せない。私はこんなに毎日しんどいのに。あんな風に実家に住んでて、自分のことしかしていない独身の若い女が、一体何がしんどいって?

毎日スウェットを着てすっぴんでゲロゲロ吐いてるおばさんの私と違って、若くてかわいらしくて白くてぽちゃっとしてて触ると柔らかそうな肌のあの小娘は、きっと毎日しっかりオシャレもメイクもしているんでしょうね!

さぞかし余裕のあるかわいい笑顔で挨拶して、仕事に疲れた夫を癒しているんでしょうね!

腹の底で煮えたぎっていた怒りがだんだんと表面に込み上げてきた。

ふざけるな。彼女は私が長男を一人で家でみていることも、次男がお腹にいて体調が悪いことも知っているはずなのに! ……あの小娘、絶対に許さない!

頭に浮かんだのは、彼女を破滅させる計画だった。

2人目妊娠中、後期のつわりで体調が悪かった