寮制度の設けられている私立中高一貫校ばかりを志望
三つ目は、問い合わせをしてきた親、中でも小学校高学年の児童の親と面談すると、「現時点でのわが子の志望校」を表明される場合がままある。そんなときに、寮制度の設けられている地方の私立中高一貫校ばかりを志望するというケースに遭遇することが最近増えてきたのである。
全国には数多くの全寮制、あるいは一部寮制を導入している私立中高一貫校がある。
たとえば、特定のスポーツのスキルを強化するために、いわゆる「強豪校」で寮生活を送るような子どもたちの話は聞いたことがあるだろう。
しかし、そういう特殊なケース以外にも、あえて親元からわが子を離し、中高生活を寮で過ごす子どもたちも大勢いる。
その子のタイプにもよるけれど、わたしは寮生活で心身共にたくましく成長を遂げた自塾の卒業生たちをこれまで何人も見てきているので、寮制について否定的な立場ではまったくない。
しかしながら、話を戻すと、わが子に何のビジョンも描かず、「中高は寮で過ごしてほしい」と口にするタイプの親がなぜかこの数年で急増しているように思えてならない。誤解を恐れず申し上げると、「わが子が邪魔である」という親の思いが透けて見えるような場面に出くわすことがよくあるのだ。
そういう面談対応をするたびに、ああ、この親は平生ネオ・ネグレクト行為をわが子にしているのだろうなと感じさせられる。