ところがある日、電話をしても応答がない。みんなで4階に行くと…(写真:stock.adobe.com)
時事問題から身のまわりのこと、『婦人公論』本誌記事への感想など、愛読者からのお手紙を紹介する「読者のひろば」。たくさんの記事が掲載される婦人公論のなかでも、人気の高いコーナーの一つです。今回ご紹介するのは京都府の80代の方からのお便り。住んでいる集合住宅で仲良くなった友人の一人が、持病の悪化と足腰の衰えで、階段の上り下りが大変になり――。
集合住宅の3人組
私が住むのは、全棟合わせて70世帯の集合住宅。自然は豊かだけど、坂が多くて少し不便なところだ。私同様、高齢者のひとり暮らしが増えてきた。
「遠くの親戚より近くの他人」と言われるが、歳を重ねるとますます、ご近所づきあいは大切だ。これまでは人間関係が薄いほうが気楽だと思っていたが、ひとりになってからは寂しさも感じるようになった。
数年前、陽気で面倒見の良いY子さんが入居。彼女のおかげで高齢者の輪ができて、寂しさがやわらいだ。中でも私とS子さん、男性のTさんの3人は年回りも近く特に気が合って、たびたび集まってお茶会や飲み会、カラオケや花見などを楽しむように。
しかし、年齢の問題は重くのしかかってくる。私を含めた3人の婆は1階に暮らしているが、4階に住むTさんは、持病の悪化と足腰の衰えで、階段の上り下りが大変になってきたのだ。
Tさんの代わりに買い物に行ったり、病院に行く日はS子さんと私が4階まで迎えに行き、荷物を持ったりする。帰りも、Tさんから電話があるとタクシーが到着する場所で待機し、4階まで付き添う。また別の日は心細かったのか、Tさんは迎えのタクシーが着くなり、「一緒に乗ってほしい」と私に頼んだこともあった。