楽しい過去は積極的に振り返って
今 私は職業柄、常に新しいメロディーや歌詞を覚えて歌ってきました。その習慣も脳にいいのかなと思います。
瀧 おっしゃる通り。譜面を見て理解し、頭で覚えて声に出す。この一連の作業は脳の多くの領域を使います。声を出すときに喉と口の筋肉を使うので、認知症リスクを高めるオーラルフレイル(口腔機能の虚弱化)を防ぐことにもつながるでしょう。
今 老人ホームなどで、お年寄りの心身の機能回復の目的でも、音楽が活用されていますよね。
瀧 はい。特に幼少期や青春時代に流行った歌を聴くと、人は懐かしい気持ちになります。そのときに脳の報酬系という領域が刺激され、幸福感をもたらすホルモンが分泌されるのです。
今 私は昭和歌謡の生き字引と言われておりますが(笑)、ライブで昭和の曲を歌うと、皆さん「昔を思い出して元気になった」とおっしゃいます。
瀧 歌を聴きながら当時の友だちや家族のこと、楽しかったこと、そのときの情景など、多くの記憶が引き出され、それがより脳を刺激するんです。