心の傷がもたらす「過緊張」とは?
ご紹介したケースのように、他者との会話がしんどすぎてたまらない人に起こりやすい症状のひとつとして「過緊張」があります。みなさんにも、心当たりはないでしょうか。
過緊張の状態にある人は、「普通に過ごしている」ように見えるかもしれません。仕事もしているし、会話もできる。笑顔もある。けれど、その内側では常に気を張り詰めて、見えない危険に備えるように過ごしています。
安心しているはずの場面でも、なぜか落ち着かない。本当はリラックスできるはずの時間でも、心も体も休まらない。人前に立つと手足が冷たくなり、声が震える。ちょっとした物音にドキッとしたり、予定の変化に混乱したりしてしまうことも。
その背景には、過去のトラウマやストレス体験があります。危険がすでに去った今でも、神経系が「まだ終わっていない」と誤って判断し、交感神経がフル稼働してしまう。その結果、呼吸は浅くなり、筋肉は常にこわばり、些細な刺激にも過敏に反応してしまうようになるのです。
そんな状態が続くと、慢性的な疲労感や睡眠の質の低下、消化器の不調など、体のあちこちに症状が現れることがあります。自分では「なんとなく不調」と感じていても、気づかないうちに心と体が限界に近づいていることもあるのです。
