「もはやカミさんより、研さんと一緒にいる時間のほうが長い」(梅沢さん)

 盗まれたり、切られたりするかもしれないから、危ないのよね。当時の芸能界はそんな感じでした。

梅沢 誰とも話すことなく本番を終え、殺伐とした気持ちのままエンディングを迎えたら、「蛍の光」の歌唱中に研さんがトコトコやって来て。女形の衣装をまとった僕に、「綺麗ねぇ」って声をかけてくれたんです。あの時は嬉しかったですねぇ……。

研 だって本当に綺麗だったから。梅沢さんの女形って、手の先からつま先まで、色気と美しさとしなやかさと……それからオーラがあると言うのかな。今だって、思わず見とれちゃうもの。

梅沢 僕が歌手の方と話したのはそのときが初めて。「研ナオコさんっていい人だなあ」と感激しきりでした。その後、僕は舞台中心の生活でお会いする機会もなかったけれど、十数年たってまた一緒にお仕事をする機会があって。そこからはもう、20年以上のおつきあいになります。

今は昨年に引き続き、研さんとの舞台『梅沢富美男&研ナオコ アッ! とおどろく夢芝居』の全国公演の真っ最中。もはやカミさんより、研さんと一緒にいる時間のほうが長い。

研 これだけ長い時間一緒にいたら普通は飽きるものだけど、飽きないですね。距離感がいいんだと思います。

梅沢 実は、僕らは互いの携帯番号も知らない。一緒に食事に行ったのも通算10回くらいです。

 連絡はマネージャー経由で取り合うから困らないし、お互いに詮索しないしね。それでも、梅沢さんとは言いたいことを言い合える仲。要は相性と言いますか、気持ちのいい人づきあいは、「ああしよう、こうしよう」と考えなくても自然と続いていくものなんだな、としみじみ感じる。

梅沢 本当だね。こんなに気が合う人はなかなかいないから、研さんとは来世でも出会いたいよ。