嫉妬するほど完璧な生活
本作は「幸せを絵に描いたような」家族団らんのシーンからはじまる。悔しいほどにイケメンのイ・ビョンホン(主人公のユ・マンス役)が、美しい妻ソン・イェジン(イ・ミリ役)、2人の子ども、2匹の大型犬と郊外の大きな家に住み、緑豊かな庭でバーべキューを楽しんでいる。子どもの一人は屋上のテラスでチェロの演奏(しかもうまい)。夫は妻にダンス・シューズを贈り、夫婦でダンス。
「全てを叶えた」と家族を抱きしめながらつぶやく主人公には、「ようございましたね」とジェラシーの炎を燃やしてしまうほどだ。そのくらい完璧な生活。それを手放したくないと思うのは人情。しかしその生活は、「突然のリストラ」で脆くも崩れていく。
主人公が勤めているのは、今や斜陽産業と言える「製紙会社」。インターネットの発達、環境問題への配慮によって、ペーパーレス化が進み、伐採した木を材料に作られた紙は、「環境を破壊する」負の産物になろうとしている。よって会社は20%のリストラ(人切り)を断行。そのためのリスト作りを命じられて拒否した主人公は、自分も首になる。
普通ならば時代遅れの産業におさらばし、業種替えをして再就職するだろう。しかし製紙業界に25年を捧げ、木をこよなく愛するユ・マンスは、「何としても製紙業界で生き延びたい」と考える。同じく製紙会社からリストラされ、再就職を目指すほかの男たちも同じ。よって話がややこしくなっていく。
※以下、作品の核心に触れる内容を含みます。
