本当は怖い書店ビジネス

今村:僕が事業承継したきのしたブックセンターも当初はそういう状態で、赤字を補填するために返品量を増やし、仕入量を減らすことを繰り返した結果、店の中がスカスカになっていました。店がスカスカなら、お客さんも離れて、ますます本が売れなくなります。ひとたび取次から「売れない書店」のレッテルを貼られてしまうと、配本が後回しにされて滞ります。どこかのタイミングで、銀行なりからつなぎ融資が得られ、挽回しようとしても、再仕入れができない事態に陥ります。

―― うーん。

『書店再興 まちの本屋さんのゲームチェンジのために』(著:清野由美/日経BP)

今村:これって、点滴みたいにちょっとずつ、ポタポタと落ちていく感じなので、分かりづらいんです。それで気が付いた時には、取り返しのつかないほど出血しているんですね。

―― 本当は怖い書店ビジネス、なんですね。

今村:はい、ホラーです(笑)。そこには書店業界、そして書店と不可分の出版業界の構造的な問題があるのですが、そのような問題を30年、先送りしてきたツケが今、まさに来ているということなんです。