昨年、京都国立近代美術館で開催された黒田辰秋展にその鏡台が出展され、多くの方と芸術品の素晴らしさを共有することができてよかったと安堵しています。

先日、東京・大田区の「昭和のくらし博物館」を訪れた折には、自分の原点がここにあると感じて、思わず涙がこみ上げてきました。

貧しい家庭に育った私はゼロからのスタートでしたが、何も失う恐れがない幸せがあったと自信を持って言えます。

趣味で買い求めたとはいえ、ある時期私がお預かりしていたに過ぎない美術品や民藝品を世の中にお返しし、再び私は原点に戻っていくのだと考えると本当に心が安らぎました。

いつまで元気でいられるのかわかりません。わからないから考えない。大切なのは今この時です。食材を無駄なく使って、心を込めて食事を作り、感謝しながらおいしくいただく。そうやって一日一日を丁寧に暮らしていきたいと思っています。

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