「なるほど、こういうことか」共演で初めて実感した俳優の言葉

――永作さんとの共演はいかがですか?

これまでも永作さんの映画やドラマは拝見していて、画面の中での存在感が圧倒的な方だと思っていたのですが、実際にご一緒すると、本当に自然なたたずまいでいらっしゃいます。

それでいて画面の中ではしっかり存在感を残すことができる。その姿を見て、「これがプロなんだな」と感じました。

そして、とても自然に撮影現場にいさせてくださるんです。最初にごあいさつの時に、「演技の経験がないのでご迷惑をおかけしないよう頑張ります」とお伝えしたところ、「大丈夫よ、有働さんのままで」とおっしゃってくださって(笑)。その言葉にすっと気持ちが楽になりました。

こちらがやりやすいように環境を整えてくださいますし、こちらがどうあれ、きちんとシーンにしてくださる。本当にプロフェッショナルだし、優しい方だなと感じながらただただ隣にいさせていただいています。

――親友役を演じられていかがですか?

これまで作品を拝見してきて「すごい俳優さんだな」と思っていた永作さんと親友役を演じるのは、対等でいなければいけない分、不安もありました。

ただ、俳優さんがよくおっしゃる「共演者に引き出してもらう」という感覚を、今回初めて実感して、「なるほど、こういうことか」と腑に落ちました。自分が特別なことをしなくても、周りの方が泉美という人物にしてくださる。そんな感覚で撮影現場にいさせていただいています。

――「存在感が圧倒的」という永作さんの出演作の中でも、特に印象に残っている作品はありますか?

河瀬直美監督の映画「朝が来る」(2020年)です。とても難しい母親役を演じられていて、強く引き込まれました。

その作品は完全に物語の中に入り込んでしまうほど、自然にその人物を生きているような表情がとても印象的でした。

――本作ではチャーミングな母親役を演じられている永作さんですが、撮影現場で感じたことはありますか?

シーンの中での切り替えの速さに驚いています。さっきまで明るく話していたのに、次の瞬間には空気が一変する。その場全体の空気を変える力が本当にすごいと感じています。