今回の受賞について、サメマチオさんは
「『漫画いしぶみ』の執筆依頼を受けた当初から今に至るまで、自分がこの仕事に相応しい作家なのか、ボンヤリ答えきれない迷いがありました。しかし、読み継がれるための新たな表現媒体を模索したいという企画意図を伺い、お役に立てる技術があるならとお引き受けしました。
作中の文章はすべてご遺族への取材に基づいています。50年以上前の記録であるため、原作では古く読みづらい箇所もありますが、決して意訳や改編はしないと私自身に課して取り組みました。試みがどこまで達成されたか不安なところ、このような大賞を頂き心底ほっとしております。
制作にあたっては、多くの方々のご指導とご協力をいただきました。本作は、その積み重ねの上に成り立っています。漫画版は読みやすさを重視していますが、原作にはさらに多くの証言や想いが込められています。この機会に原作を読んでくださることを願っています。」
とコメントを寄せている。
企画した広島テレビ放送は、「被爆者の高齢化が進み、直接の証言を聞ける機会が急速に失われる中、過去に蓄積された記録を〈誰もが理解できる形〉に更新し、未来へつなぐことはとても重要な課題。今後も〈いしぶみ〉プロジェクトを通して、次世代に向けた被爆の記憶継承と文化的発信に取り組んでいく」と発表している。
また、〈コミック部門〉大賞はイスラム・モンゴルの歴史を題材とした『天幕のジャードゥーガル』(秋田書店)、〈カーツーン部門〉大賞はミャンマーの人々の支援のためにと作られた1コマ漫画集『WART CARTOON —〈1コマ漫画〉から読み解くミャンマーの苦しみと願い』(寿郎社)が受賞している。