神奈川県の久里浜港から、片道40分の「東京湾フェリー」に乗船したときも、乗っている間はとくに何もすることがなく、ひたすらぼーっとするだけで(笑)。

同じ船に乗った親子連れの様子をほほえましく眺めているうちに、千葉県の金谷港に到着。港にあるマーケットでアジフライ定食を食べ、お土産に干物や海苔の佃煮などを買って満足して帰ってきました。

1泊以上の旅行だと、列車や飛行機、宿泊先などをあらかじめ予約しなければいけないのでハードルが高いけれど、日帰り旅なら綿密なスケジュールを立てずとも、思い立ってフラッと出かけられるのがいい。

江戸川区にある葛西臨海公園に出かけたときは、園内にある「ダイヤと花の大観覧車」に乗って東京湾の夕日を眺めようともくろんでいたものの、突然の豪雨と雷で観覧車の運行が中止に。

仕方なく急遽予定を変更し、《リトル・インディア》と称される隣の西葛西まで移動。たまたま入ったインド料理屋さんでめちゃくちゃ美味しいマトンのカレーやチーズナンを食べてすっかり幸せな気分になりました。

予約やスケジュールに縛られず、なりゆきで気ままに行動できるのも、日帰り旅の楽しさかもしれません。

そんなエピソードの数々をまとめたエッセイ集『今日もぼーっと行ってきます』も、先日上梓しました。日帰り旅に興味のある方は、手にとっていただければ幸いです。

後編につづく

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