獺祭のライバルはシャンパン
――「獺祭」に女性ファンが多いのは、そんな気配りもあったんですね。
はい。背筋を伸ばして飲むほうが絶対に綺麗ですから、特に女性にはニーズがあったと思いますね。それに、前かがみになって背中を丸めて飲むと、“酒は涙か溜息か”(笑)みたいな雰囲気になります。屋台の片隅で、一人しみじみ飲む日本酒。「獺祭」はそっちには行きたくない。悲しいときより、楽しいときに飲んでいただきたい。お祝いの酒というか、大事なときに、1人でも2人でも、もっと大勢でもいいけど、晴れやかに飲んでもらいたいんです。そう考えると、獺祭のライバル、ターゲットとすべきはワインよりシャンパンなんですね。
――会長ご自身、いつもオシャレですが、気を遣っているポイントはありますか?
小さい会社ですから、ブランドを引っ張っている社長や会長の顔が、見えないとダメですよね。そういう意味では服装にも気を遣っています。
海外のパーティーなどでは、できるだけ和服を着るようにしています。やはり、カッコいいからね。以前、和服を仕立てたとき「家紋はどうしますか?」と聞かれまして。でも、家紋なんて着けたってほかの人にはよくわからないでしょう。「じゃあ獺祭でいいや」と、背中に漢字で「獺祭」と入れたんです。紋を背負うのではなく「獺祭を背負っている」という意気込みもありました。イタリアに行ったときはその着物が大好評で、「写真を撮らせてください」と何度もいわれましたね。(笑)