苦難を乗り越えた人々にとっての希望

アンコールは、何世代にもわたり都が置かれてきた場所。北のプノン・クレーンをヒマラヤに、シェムリアップ川をガンジス川に見立てたことから、聖地とされています。

扇状地であるこの一帯で、クメール人が水管理を行っていたことが近年解明されました。雨季は速やかに排水し、乾季には水位を維持するなど、水路網や貯水池を利用していたのだとか。

かつてカンボジアでは、隣国ベトナムの戦争に連動して政治が混乱し、ポル・ポト政権下で大虐殺が起こりました。アンコールが世界に誇る宝として認められたことは、苦難の時期を乗り越えたカンボジアの人々にとっての希望なのです。

 

タ・プローム寺院
樹齢300 〜400年のガジュマルの気根が、タ・プローム寺院の屋根に絡みついている(撮影:富井義夫)
世界遺産登録名/アンコール
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