体幹を鍛えて最悪の事態を回避
伊藤 今は飲み薬、注射ともにいい治療薬があって、たとえば《ロモソズマブ注射》を月に1回打つと、骨密度が1年間で5~10%上がるという報告もあります。何歳からでも改善できますが、骨代謝が活発な50~60代で治療を受けると、より高い効果が望めるのです。
治療薬には骨吸収を抑える薬、骨形成を促進する薬、骨に足りない栄養素を補う薬などがあり、半年ほどで効果が出てきます。使う薬は医師と相談のうえで決め、いずれも基本的に保険診療です。
夏樹 治療を始めたら、ずっと続ける必要があるのですか?
伊藤 骨密度が上がって若年成人比が70%以上になれば、薬や注射は徐々に減らすこともあります。とはいえ、骨密度は何もしないとどんどん下がってしまうもの。ぜひ日々の運動と食事で骨を強くする、《骨活》を習慣にしていただきたいと思います。
夏樹 私は毎週ジムに通っているほか、朝と夜に犬と散歩をするのが日課です。1回につき40~50分で、余裕がないときは30分。たまに犬と一緒に走ることも。あとはお風呂あがりのストレッチと、最近は《スワイショウ》という体操も始めました。
伊藤 歩くことによる刺激が骨の生成を促すので、とてもいいですね。《スワイショウ》とはどのような体操なのですか?
夏樹 バランス感覚を整える、中国発祥の全身体操です。私が実践しているのは、脱力した姿勢で立ち、腕を前後にブラブラしたり、でんでん太鼓のように体をねじりながら腕を振ったり、背中を丸めたり伸ばしたりする3パターンの動作。あとは四股を踏んでいます。
この習慣で体幹が強くなり、よろけることがなくなりました。今ではこんなふうにハイヒールで、四股を踏むこともできますよ(と、足を高く上げて四股を踏む)。
私は鍼灸師の稲村崇さんのユーチューブを参考にしていますが、ネットでいろいろ紹介されているので、ぜひ検索してみてください。
伊藤 ハイヒールでそこまで足を高く上げられるのは、体の軸がしっかりしている証拠ですね。体幹を鍛えるのは、特に重要な骨活です。たとえ何かにつまずいても、体幹が強ければ踏ん張ったり体勢を立て直したりして、最悪の事態を避けられますから。
夏樹 ステージでの立ち姿にも影響するので気をつけています。