〈懲りない〉会長らしいエピソード

お米を半分、五割以上磨くのが純米大吟醸。米の外側のぬかの雑味を外し、心白だけ使う。「獺祭 磨き二割三分」について聞かれた会長は、「当時日本で一番精米した酒が二割八分だったんです。一番になろうと二割五分を目指して精米機に米を入れて東京へ出張しました。そしたら東京で問屋さんに〈二割五分があるよ〉と言われ、帰りの新幹線の公衆電話から『あと二分削って』と工場に連絡したんです。二割五分まで磨くのにも1週間かかりましたが最後の二分に24時間かかりました」と〈懲りない〉会長らしいエピソードを披露した。

カウンターでは有料試飲も(撮影:婦人公論.jp)



地ビールの事業を始めて失敗したこともあったという。
「 1億9000万円もつぎ込んだのに、3ヵ月でたたんで杜氏を失い、決心がついたんです。 生きるか死ぬかの経営状態になって、それを超えると腹が坐る。そこから先は好きなことだけやろうと決めました」

工場で生産することになって四季醸造が可能になり、年に8回転できる。獺祭は工業製品のように言われることがあるが、かなり人の手がかかっているという。会長は「みんなに数値をわからせるためにデータ化したが、やはり大事なところは人。人のほうが上手なんですよね」と語る。工場を訪れたことのある松井アナは「ダンボールに詰めるところなんかはすごく機械化されてますよね!段ボールを組み立てるのも機械がやっていて」と工場の様子を詳しく語った。

(写真提供:獺祭)

なぜ獺祭はこんなに売れたのか? という質問も。ブランド名もインパクトがあったが、オバマ大統領が故・安倍晋三総理との公式晩餐会に獺祭を使いたいという連絡が来て、ひそかに送って現地で安倍総理が驚いたというエピソードも披露。