「もったいないので3000本は僕が買う」

弘兼氏が、「フレンチのジュエル・ロブション氏も獺祭が好きで、一緒にパリに店まで出しましたよね。 ジャン・レノが好きなお酒は?と聞かれて獺祭と言ったし、佐々木朗希がお礼に渡したのも獺祭。いつもこういうのを僕が教えてあげるのに、会長とか社員さんは知らないんだよね」と言えば、会長は「社員はみんな酒、真面目に作ってますから」と返し、「僕は漫画描きながらずーっとテレビ観てますから」と和気あいあい。

会場には、弘兼氏×獺祭の漫画第一弾をお持ちのお客様も。話の流れて本を説明する弘兼氏。松井アナが手にしているのは新刊『懲りない親父 世界へ挑む』(撮影:婦人公論.jp)

2018年に西日本を襲った豪雨では、川が氾濫して工場の1階が水没、数日電気が止まり、一時的に蔵の温度調整ができなかった。「これを獺祭としては出せない」と四号瓶60万本分を捨てようとした会長に、弘兼氏が「もったいないので3000本は僕が買います」と助け舟を出した。その後会長たちと集まって会議をした結果、〈1本 4万円の酒も1500円の酒も混ぜて、すべて同じ弘兼氏のオリジナルラベルをつけて1000円と義援金を200円 足して販売しよう〉ということに。

弘兼氏は画を無料で提供し、マスコミを集めた会見では「皆さんこれはほんとにお得。獺祭ガチャですよ」とアピール。この獺祭は 58万本を売り上げ、1億1600万 の寄付をすることができたという。弘兼氏は「4万円の獺祭には、キャップの裏に〈当たり〉て書いておけばよかったね」と当時を笑顔で振り返る。

桜井会長は能登の災害時にも翌日には1億円を寄付した。

「私たちは社会に生かされているから何かお手伝いをしたい」と言う。獺祭の原料である酒米・山田錦をつくる農家を支え、米作りにプライドを持ってもらうために「最高を超える山田錦プロジェクト」というコンテストを実施している。現在の優勝賞金はなんと4000万円だ。