「父も漫画のような絵を描くのが好きで、「猫の絵を描いて」と頼むと、必ずビキニを着せるんです。その話を清野さんにしたら、「ああ、猫ってビキニを着せたくなるよね」。やっぱり同類なんですよ。(笑)」

そんな、お互いにとっての“ちょうどいい”生活スタイルを探している時間が、とても楽しいのです。たとえば、私の母がたまにうちに遊びに来ると、家じゅうの照明を最大限明るくするんですね。私もそれが普通だと思っていました。

でも、母が来た後に清野さんが帰ってくると、「ちょっと明るすぎない?」と、必ず少し暗くする。そんなことが何回か続いたときに、「ああ、これって2人のギャップを少しずつ埋めていく作業なんだ」と気づきました。手探りしながら、徐々に家族になっていっているのだなと。

 

一風変わった父と夫の普通でない共通点

明るさの好みは違えど、清野さんは母と仲良しで、うちの父とも話が合います。父と清野さんは、ある意味、同類だと思います。現役時代、旅行会社のツアーコンダクターをしていた父はちょっと変わった人で、私が一風変わった人に魅力を感じるのも父の影響かもしれません。

子どもの頃、父にいろいろ教わりましたが、どれも「これって必要?」と思うことばかり。7歳の頃に「とりあえず、この3つを覚えておけ」と教えられたのが、ソルティドッグの作り方と、塊のチーズを糸できれいに切る方法。そして、革靴についた傷が目立たなくなる靴墨の塗り方。

なぜこの3つなのか今でも謎ですが、清野さんの感性はこの父に近いところがありますね。父も漫画のような絵を描くのが好きで、「猫の絵を描いて」と頼むと、必ずビキニを着せるんです。その話を清野さんにしたら、「ああ、猫ってビキニを着せたくなるよね」。やっぱり同類なんですよ。(笑)